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たんぱく質の分解には口から食べ物として摂取したたんぱく質の分解と、
私たちの体のたんぱく質(筋肉など)の分解の二つがある。
◆食べ物のたんぱく質の分解◆
食べ物に含まれるたんぱく質は胃液とすい液で段階的に分解される。まず胃液の
消化酵素ペプシンで立体構造のペプチド結合が切断され、鎖状のポリペプチドになる。
ポリペプチドが小腸(十二指腸)に送られると、すい液の消化酵素カルボキシペプチ
ターゼによってトリペプチド(アミノ酸が3つ結合したもの)になり、キモトリプシンに
よってジペプチド(アミノ酸が2つ結合したもの)になり、トリプシンによって最小単位
のアミノ酸になるんだ。アミノ酸やペプチドの状態で小腸(空腸・回腸)から吸収される。
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◆体のたんぱく質の分解◆
私たちの体は毎日一定量のたんぱく質(筋肉や内臓、血管、皮膚、リンパ管など)を
分解して、分解した同じ量のたんぱく質を新しく合成している。分解物の75〜80%は
肝臓でまた新しいアミノ酸に作り替えられて、不足分の20〜25%は食べ物に含まれる
たんぱく質で補うようになっている。
体重60sなら一日当たり約210gの老化したたんぱく質が分解され、その分だけ
新しいたんぱく質と入れ替えられるから、210gのうち147g(70%)のアミノ酸が
再利用され、残りの63g(30%)が食べ物のたんぱく質で補っているということになる。 |
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