捧げると奉げるの違い
- 概要 -
捧げるとは、両手を高くしてものを持つことや、与えるの謙譲語で目上の人に何かを与えることをへりくだっていう言葉である。奉げるは常用外の使用法であり、辞書的には誤りである。
- 詳しい解説 -
捧げるは、「さしあぐ(差し上ぐ)」の転化したもので、相手に対して敬意を表現するために、手を高くしてものを持つことをいう。よく卒業証書を授与された直後に両手を高くして目線より上に証書を持つが、それが捧げるの形である。
他に、捧げるは神や仏、高貴な人に対して何かを与えることを謙譲していう時につかわれる。たとえば「貢物を王様に捧げる」や「この身を神に捧げる」などという時に使われる。
一方、奉げるであるが、これは常用外の使用法であり、ささげる、と一般に読み・書きされるものであるし、パソコン上では変換も可能であるが、辞書として正しい使い方ではない。正しくは、奉ずる(ほうずる)または奉る(たてまつる)と使うべきものである。奉ずる、奉るは与えるの謙譲語であるから、意味の上では捧げると同じものである。ただ、奉ずるにはいただく、という意味があり、例えば「天皇の勅命を奉じて、上洛する」のようにうけたまわる、いただく、ということで使われる。
「新しいと真新しい」「イルミネーションと夜景」「金歯と銀歯」などなど、世の中にははっきりと説明できないよく似た言葉や物事が私たちが思っているよりもかなり多く存在しています。私自身学生時代からそのようなよく似た言葉・物事の違いを意識的に発見しては辞書やネットで調べるということを日常的にしていて、それが一つのライフワークになっていました。ある時期からその趣味?ともいえる調査・分析にどっぷりと浸かりまして、これまでエクセルにまとめた二つの類似した違いをネット上で公開し始め、今では複数の方のお力もお借りして実に多くの類似した言葉・物事をネット上で公開することができています。日本語は実に複雑怪奇・・・!そして面白いなと思います。「私語と雑談の違い」「失礼と非礼の違い」「始末書と反省文の違い」「すなわちとつまりの違い」うむむ・・・、よくわかりませんね。知らなくても別に生活に困るわけではないけど分かっているとちょっと嬉しい二つの違い、お時間のある時に是非1つでも覗いていただければと思います。