遺伝子組み換えとクローンの違い
- 概要 -
遺伝子組み換えは遺伝子を操作して従来ではなかった性質のものを作り出す技術のことを言う。クローンは同一の遺伝子を持つ細胞群や個体のことを言う。
- 詳しい解説 -
クローンは全く同じ構造の遺伝子を持つ細胞や個体のことを言う。その生成過程は受精による生殖ではなく、無性生殖によるもので、元の細胞などから細胞分裂によって増えたもの。元の細胞や個体とはＤＮＡ配列が全く同じものであることから当然ながら元の細胞や個体とは同一の特徴を持つ。
遺伝子組み換えは遺伝子工学の分野で発達してきた遺伝子を操作する技術のことで、植物や動物実験などの領域で行われている。遺伝子のＤＮＡ配列を一部分取り出して他の個体のＤＮＡ分子に組み込むことで、今までになかった特性をもった個体を作ることができる。
クローンは元と同じＤＮＡのものを指すが遺伝子組み換え（作物）はその個体の従前のＤＮＡとは異なるものを人為的に作り出すことである。
農作物の分野では植物に他の生物の遺伝子を組み込み、その植物が従来備えていなかった特質を持たせることでより収穫が多く育てやすいものにすることが行われている。代表的なものでは、病害虫が嫌う物質を分泌させるようにしたり、病害虫の被害があってもそれに抵抗できるような特質を持たせることで、害虫駆除のための農薬の使用を減らすことができるものなどがある。
遺伝子組み換え作物に関しては食用の作物であることから人体に対する影響が完全に安全であると解明されていないとして、根強く反発する人も多い。日本では、トウモロコシ、大豆などの食品には遺伝子組み換えの有無を表示する義務がある。
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