思いやりと親切の違い

-　詳しい解説　-

思いやりとは、相手の心情や状態を察して、同情したり共感したりする事である。親切の場合は、必ず何かしらの行動を起こすものだが、思いやりの場合は「あえて何もしない、聞かない、気付かなかったフリをする」というやり方もある点が違う。親切が物質的な助けをすることに対し、思いやりは精神的な助けである場合が多い。

親切とは、相手が求めている、もしくは必要とするであろう手助けを予測して、実際に行う事である。例えば、電車でお年寄りに席を譲ったり、大勢でワイワイしている中、一人でポツンとしている人に気を使って声をかける等である。一見相手の為になりそうな良い事を行っており、これに対して相手が感謝すれば親切として成立するが、「年寄扱いされて嫌だ」「気を使われてみじめな気分だ」と感じれば、これは親切ではなく、おせっかい、余計なお世話という真逆の行為とみなされてしまう。この様な評価を受けるのは辛いものだが、考え方が違うので仕方ないと割り切り、相手の気持ちを正しくはかれなかった自分や、親切を素直に受けなかった相手を責めるのはやめておくのが良い。多種多様な価値観が絡むが故に、難しいものである。