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昆虫は死ぬと何故ひっくり返るのだろう?
ハエやゴキブリなどの死骸がひっくり返っているのを見たことがある人は多いだろう。昆虫が地に脚をつけたまま死んでいるのはどこか不自然な気がする。地中は別として地上で何にもしがみつかずに死んでしまった昆虫はだいたいひっくり返っているものである。
なぜ昆虫はひっくり返って死んでしまうのか?ひっくり返ってから死ぬのではない。死んでからひっくり返るのだ。昆虫は体のサイズの割には強い脚力を持っている。カブトムシなど木から離そうとしても踏ん張りが強くて、力を入れないと木からなかなか離す事が出来ない。また、風に飛ばされてしまうこともない。(車のフロントガラスに虫が引っ付いてスピードを上げてもなかなか吹き飛んでいかないものだ)
しかし虫は死んでしまうと手足が硬直して丸くなり、胴体が浮き上がってバランスが崩れてしまうのでひっくり返るのだ。
また死後は体が乾燥して軽くなるので風で簡単に吹き飛ばされ、脚の丸まった腹側よりも平たい背中側のほうが地に接したとき安定するのでひっくり返った状態になるのだ。
「そろそろ死ぬからひっくり返っておこっと」そんなことを考えて昆虫たちが死ぬわけではないのである。